映画『グラディエーター』紹介、マキシマスの熱き人生に感動する歴史スペクタクル[ネタバレなし] - Cinema A La Carte

映画『グラディエーター』紹介、マキシマスの熱き人生に感動する歴史スペクタクル[ネタバレなし]


『グラディエーター』基本情報

タイトル
=グラディエーター

原題
=Gladiator

監督
=リドリー・スコット

出演
=ラッセル・クロウ
=ホアキン・フェニックス
=ジャイモン・フンスー

ストーリー
西暦180年のローマ帝国。 皇帝マルクス・アウレリウスは、 臣下で将軍のマキシマスを愛し、人格・戦功などからも彼を後継者にしようとする。 皇帝の子で野心家のコモドゥスはこれに先手を打ち皇帝を殺害し、自らが皇帝に。 マキシマスに謀反の濡れ衣を被せ拘束、マキシマスの妻子を虐殺する。 マキシマスは奴隷商人のもとに流れ着き、 そこから剣闘士(グラディエーター)を育成する男プロキシモのもとへ。 やがて強靱なグラディエーターとして名を馳せる。 プロキシモともどもローマに移ったマキシマスは、 ローマの大コロッセオで皇帝コモドゥスの閲覧試合に出場する。 最終的な狙いは狙いは皇帝への復讐への復讐である…
まとめ参照:http://eiga.com/movie/44004/

予告編


2000年以降の歴史大作ブームの先駆けであり最高傑作! 
私だけでなく、世界中で愛される傑作歴史スペクタクル。

2000年以降の歴史映画ブームの火付け役元祖でありながら、 後発の作品に負けず劣らず、というか勝ち続けるまさに傑作です。 既にご覧になられている方も多いのではないでしょうか。 迫力満点、熱いストーリーに演出、素晴らしい音楽。 あらゆる魅力が詰まった素晴らしい作品です。



歴史スペクタクルの原点
ずーっと昔に『ベン・ハー』という傑作映画がりましたが、 近年は大規模な予算をかけてもあまりヒットしないと敬遠されがちであった歴史大作。しかし本作は巨匠リドリー・スコット監督の元に興行的にも批評的にも大成功を収めました。

あらゆる要素がうまく融合したからこそ傑作に仕上がったわけで、 最終的にアカデミー賞作品賞まで受賞しました。確かアメリカでは5月くらいに公開された映画でしたので、アカデミー賞開催の翌年3月までよ勢いを保ったなと改めて思います。

今作の大成功によって、映画製作会社は 「歴史映画をつくれ!」「グラディエーターを超えろ!」と言わんばかりに歴史映画の企画にゴーサインを出しまくりました。 リドリー・スコット自身も『キングダム・オブ・ヘブン』や『ロビンフッド』を製作。

他にも『トロイ』『キングアーサー』や『アレキサンダー』など多くの歴史映画が生まれました。割とどれも好きな作品ですが、 それでもこの『グラディエーター』を超えることはなかなかできないのではないでしょうか。

それくらいあらゆる要素が絶妙にマッチしたということでしょう。 あ、でも『ロビンフッド』は肩を並べたかな?とにかく本作は素晴らしいということです。 よし、詳細語っていきましょう。



ストーリーのわかりやすさと受け入れやすさ
歴史映画はどれも歴史背景を抑えているに越したことはありません。 当時の文化や、映画の外枠が何かわかってれば世界観も広がりますからね。本作は半分フィクション、半分事実です。

細かな解析はさておき、 冒頭からマルクス・アウレリウスが出てくる辺りは世界史を学んだ人間としてはわくわくするものがありましたね。ローマのコロシアムで行われている殺し合いは世界史で言う「パンとサーカス」に当たるもの。ローマのシーンに入った時に出る街並みは、世界史で学んだローマの文化がそこにあり、地方からローマへの上京は「すべての道はローマに通ず」を意識させます。

しかし、本作はそういった世界史知識が全くなくても楽しめることでしょう。私もそうでした。私が本作を最初に見た理由は「世界史の勉強」のためでした。本作の内容が試験に出ることはありませんが、ローマの雰囲気がわかると勧められたからです。結果として役に立ちましたが、それ以上に一映画として感動したのを覚えています。

その理由は簡単で、歴史を再現することを目的とせず、マキシマスという人物の人生を語る映画だからです。マキシマスはとても人望厚い男です。当時の皇帝からも慕われ、血筋ではないにしろ次は皇帝かとまで言われた男です。

そんな彼に嫉妬したのは皇帝の出来損ないの息子コモドゥス。「父の意思、遺言がなく父が死ねば僕が次の皇帝だ」と思ったのでしょう。父親を殺し、その罪をマキシマスに被せたのです。これでコモドゥスは皇帝に。マキシマスは殺人犯で処刑です。何てあくどいことを。

しかしマキシマスはそんな簡単には死にません。何とか脱出し、そしてたどり着いたは奴隷商人の元。そこで彼はグラディエーターとなり、ローマへ出向き、皇帝への復讐を誓うのでした。では彼はなぜ復讐することに命を燃やしたのでしょうか?彼が地位を奪われたから?違うでしょう。

彼は愛する妻子を殺されました。それも酷い方法で。そんな妻子のための復讐なのです。映画の中の名台詞、いや映画史に残る名台詞&名シーンの言葉を紹介しておきましょう。

My name is Maximus Decimus Meridius, 

Commander of the Armies of the North, 


General of the Felix Legions, loyal servant to the true emperor, 


Marcus Aurelius. 


Father to a murdered son, husband to a murdered wife.  


And I will have my vengeance, in this life or the next. 



 我が名はマキシマス・デシマス・メリディアス。 


北軍指令官にしてフィリックス団将軍。 


真の皇帝マルクス・アウレリアスの忠実なる僕。 


殺されし子の父にして殺されし妻の夫。 


今世か来世で復讐は必ず果たす。  



復讐をして満足ではなく「復讐をし、妻子の元へ帰る」ことが目的なのです。 死んだ妻子の元へと「帰る」。これキリスト教っぽくないんですよね。輪廻転生とでもいいましょうか。キリスト教やユダヤ教では見られないものです。少し東洋的な考え方。

しかしそういった部分が日本人的にすっと入っていく部分でもあったでしょう。復讐をするマキシマス。グラディエーターという底辺の地位にありながらもローマ市民の人望を得たマキシマス。

皇帝になりながらも人望が薄く、苦悩するコモドゥス。そのわかりやすい対比に、とんでもない大迫力の映像と音楽。そういった明快さと迫力により誰でも楽しめる映画へとなったのでしょう。この映画の結末はどうだったでしょうか?

バッドエンドでしょうか?これはハッピーエンドでしょう。なぜならマキシマスは目的を達成できたのですから。「妻子の元へ」という。



リドリー・スコットチームの職人芸
本作の監督は巨匠リドリー・スコット。 冒頭の合戦シーンから度肝を抜かれましたが、音声解説で「こういうシーンは簡単だ」的な発言をしていて、 流石過ぎると思いましたw 大予算を投じながら、それ以上の迫力ある映像を作り上げてしまうリドリー・スコット。

それでいて本作はドラマ性があり、一言で言えば感動できる作品です。 そのバランスある演出が本作を成功に導いたのはいうまでもありません。本作の撮影は順調に進んだかというとそんなことはありませんでした。

奴隷商人役のオリヴァー・リードが途中で急死してしまったのです。しかも撮影シーンを残して。それにより映画のストーリーに影響が出ました。当初と異なるストーリーに落ち着いたわけですが、そこを柔軟に冷静にチームで乗りきったのはさすがだと思いました。 そんなバックストーリーを知っているとエンドロールの「オリヴァー・リードに捧げる」で泣いてしまいます。

いい俳優さんでしたよね。 リドリー・スコットのバランスの良さと溢れる熱い演出、本作でも是非堪能してください。



ラッセル・クロウとホアキン・フェニックス
本作のわかりやすい構図、マキシマス vs コモドゥス。 その二人を演じたラッセル・クロウとホアキン・フェニックスのケミストリーが見事でした。ラッセル・クロウは誰もが愛するカリスマ男を見事に演じ、我々も画面の前から「マキシマスがんばれ!」と応援してしまうほどのめり込ませてくれました。

しかしそれは彼一人の演技が素晴らしかった上に、ホアキン・フェニックスが徹底的に嫌われるコモドゥス皇帝を演じたからでしょう。人気者の敵は嫌な奴。そんな日常でもありがちな対立構図がわかりやすく演技によって確立されたからこそ、マキシマスにはよりカリスマ性が出て、コモドゥスにはひたすら嫌気が差したのでしょう。

ラッセル・クロウのアカデミー賞主演男優賞受賞は当然の結果でしょう。見事でした。ホアキン・フェニックスも受賞に値する熱演でしたけどね。 この年はとんでもない傑作の『トラフィック』があった関係で助演男優賞はベニチオ・デル・トロでしたね。

作品賞と主演男優賞が『グラディエーター』で、監督賞と助演男優賞が「トラフィック」。仲良く分け合った感じですね。私はどっちが好きかって?選べませんよw



ハンス・ジマーの底力
本作はリドリー・スコット率いるチームによる大迫力映像が見物ですが、その迫力をより盛り上げたハンス・ジマーの音楽を語らないわけにはいかないでしょう。ハンス・ジマーは本作の以後『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『ダークナイト』、『インセプション』などで、ウルトラ傑作を数多く創り上げていますが、本作の完成度も負けず劣らずといったところでしょう。

歴史映画としての音楽、アクション映画として音楽、そしてローマやスペインの雰囲気漂う音楽と、あらゆるスコア音楽の積み重ねが本作をとても盛り上げました。ラストに涙を流してしまう感動を呼び起こしたのは、

リドリー・スコットの演出だけでなく、 
Honor him⇒Now we are freeの2曲によって感動がより引き立ったからでしょう。 

素敵でした。本作で好きな音楽はThe BattleとエンディングのNow we are freeですねぇ。 今でも何回も聴いています。 音楽貼っておこう。








ラストシーン
本作のラストシーンは本当に感動的です。コモドゥス皇帝の姉のスピーチも感動的。そしてそこからラストカットへ。ラストを飾ったのは主役、準主役ではなく、グラディエーターとしてのマキシマスの仲間であったジュバ。

 Now we are free. I will see you agein. But not yet...noto yet... 

 これで自由になった。 また来世で会えるよな。 でもまだだな。。。まだだ。 


ラストを飾る台詞としてこれ以上のものはなかったでしょう。 感動を持ってこの歴史大作は幕を閉じました。



最後に
映画としての完成度、映像や音楽の迫力、俳優陣の熱演から 物語としての感動性、物語としてのわかりやすさ、名台詞が連発される脚本の完成度など、本作には魅力がたくさんあります。

しかし総じて「感動」が本作の魅力だったと思います。 好きな映画なので何回も見てますが、「感動するなぁ」 が毎回思うことなので。言葉にするのは難しいのですが、本当にこれは傑作なんだ。

 いつもそう思える作品です。


Amazon/iTunes