『ダイアナ』、熱演素晴らしきナオミ・ワッツを活かしきれない何か…【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレ解説あり] - Cinema A La Carte

『ダイアナ』、熱演素晴らしきナオミ・ワッツを活かしきれない何か…【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレ解説あり]

『ダイアナ』

『ダイアナ』基本情報
公式サイト

監督
=オリバー・ヒルシュビーゲル

キャスト
=ナオミ・ワッツ
=ナビーン・アンドリュース
=ダグラス・ホッジ
=ジェラルディン・ジェームズ
=チャールズ・エドワーズ

ストーリー
王室を離れたダイアナがひとりの女性として自立していく姿を描く。20歳でチャールズ皇太子と結婚し、その後ふたりの王子を出産したダイアナ妃。しかし、夫の不倫や王室との確執、マスコミとの攻防で傷つき疲れ果て、離婚を決意する。絶望を抱える中、人命救助に打ちこむ心臓外科医ハスナット・カーンとの出会いを経て、世界を変えようと地雷廃絶運動などに熱心に取り組んでいく。

予告編


良い部分があるだけに悪い部分があるのが残念
ダイアナ元皇太子妃の不慮の事故死までの約2年間を主に描いた映画『ダイアナ』。

まず何と言ってもダイアナを演じたナオミ・ワッツの演技が素晴らしいです。
単に似せるのではなく、その内面の喜怒哀楽、特に哀しさが溢れ出るのを抑えるような数々の場面をさすがの存在感と演技力で見せてくれます。

[DVD/Blu-ray発売済み]

しかし、そのナオミ・ワッツの魂の演技が活かしきれてないのです。
複合要因ではあるでしょうが、脚本と演出に難ありなのは明白でしょう。

ナオミ・ワッツが良いだけに、とにかく粗が残念で仕方なかったです。
良い部分が多分にあり、演出全てが駄目というわけではないからこそ余計に悔しいです。
つまり傑作になり得た題材とスタッフとキャストなのにどうしてこう中途半端になってしまったのかと思うのです。

泣いてる方もいました。
そう、ダイアナは私たちの心のプリンセスであり、最後は史実通り悲しい幕引きをします。最後のシーンはとても悲しいものでした。

それ故に色々もったいない。とにかくもったいない。
今年見た映画の中では下位ではなく真ん中くらいの満足度の位置付け。
しかしあまりにもったいなく、今年最も期待していた映画なだけに失望感が大きかったです。

いくら世界で最も有名なプリンセスだと言ってももう20年近くも前のことです。別居の件やインタビューの件など"知ってて当然なので省略します"なエピソードが随所に出てくるのです。これはもったいないですよ。

ラストの交通事故死ですら"猛スピードでパパラッチを振り払ってる時のトンネル事故"と映画では伝えられてないのです。気づいたら事故後悲劇を知る英国民のシーンに突入していたという。

映画として知らなくていい、省略して良いことを省略するのは良いことです。それは省略の美学。しかし肝心なところをこの映画はあちこちで省略していきます。

ダイアナを名前しか知らない人はあれこれ???な部分が多いと思います。"知ってて当然"なことは世に多くありますが、"知らない人もいる"のが現実であることを作り手は忘れてはいけないと思うのですが…。


ちなみに事故死のシーンを明確に描いてないわけですから暗殺説や陰謀説などは最初から用なしです。陰謀説を語りたい方はどこか別のところでどうぞ。本作はダイアナのラブストーリーです。

昨日もTwitterで「私は真実を知っていますが〜」とリプライ飛ばしてきた方いますが、どうせどっかから流れに流れて聴いた情報でしかないわけなのでそういうのやめてください。もしダイアナが殺されたとしても本当の真実を知ってるならそんなの口に出しません。ゴシップの情報を知った口で言ってこないでください。

さて、愚痴も書かせて頂きましたが、
映画の良い点はナオミ・ワッツの演技やラブストーリーのエピソード。
映画の悪い点は脚本や演出、いらない笑えるシーンなどです。

映画は脚本と演出があってこそなので、そう考えるとなかなか厳しい作品ではありました。
しかし繰り返すようにナオミ・ワッツの好演もあり救われた印象もあります。

正直に言えば、新しい脚本と新しい監督でまたダイアナ題材の映画を作ってほしい次第です。もちろんナオミ・ワッツ主演で。

おしまい。


関連作品
ナオミ・ワッツ出演作品



written by shuhei