『ビザンチウム』、スーパーヒーローのリアル化のごとくバンパイアが苦悩する母子の物語【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレなし] - Cinema A La Carte

『ビザンチウム』、スーパーヒーローのリアル化のごとくバンパイアが苦悩する母子の物語【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレなし]

『ビザンチウム』

基本情報
監督
=ニール・ジョーダン

キャスト
=ジェマ・アータートン
=シアーシャ・ローナン
=サム・ライリー
=ジョニー・リー・ミラー
=ダニエル・メイズ

ストーリー
神秘的な16歳の少女エレノア(シアーシャ・ローナン)は、彼女の保護者である八つ年上のクララ(ジェマ・アータートン)と共に海辺のリゾート地にたどり着く。一見姉妹のように見える二人は、長年定住することなく街から街へと放浪する日々を送っていた。実は、なまめかしい美貌を持つクララと悲しげな瞳を持つエレノアにはある秘密があり……。

予告編


描かれる苦悩、そして本性を隠しきれない切なさ
「再びシアーシャ・ローナンやりおった!」というのがまず率直な感想であります。

私の私的ベスト映画で毎度ご紹介している『つぐない』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされてから5年。シアーシャ・ローナンは少女から徐々に大人の女性に成長してきましたが、子役特有の色褪せ感もなく透明感をた保ったまま美しい女性になってきたなと思います。

そんなシアーシャ・ローナンの魅力がまたまた遺憾なく発揮された作品が『ビザンチウム』。バンパイアであるが故の、人間でないどこか感情を殺した演技。しかしシアーシャ・ローナンには溢れる美しさがあります。その魅力に圧倒されました。

[DVD/Blu-ray発売済み]

バンパイア映画として当然の血みどろ展開を含みつつ、ある種近年流行りの"特殊故の苦悩"を織り交ぜることで、今までのバンパイア映画よりも映画的深みがあったと思いました。
(元々私はバンパイア映画にあまり興味が無いのでこの手の深みは好印象)

バンパイアと先ほどから言ってますが、本作内ではバンパイアという言葉は使われません。
母子は"永遠に生きなければならない人間"として描かれています。数百年前のこのような運命を決めた出来事も描かれます。

バンパイアと言えば近年やはり『トワイライト』シリーズが有名ですが、『ビザンチウム』はあのような一大抗争にはなりません。とにかく母娘の生きる苦悩が描かれていきます。

母は永遠に母であり、娘は永遠の16歳。いつまでも生きれるからといって何もしないわけにはいかない。そんなもがきの中で恋に落ちる娘。

しかしその恋に母親はいい顔をせず。なぜなら・・・と物語はバンパイア的などろどろではなく昼ドラ的どろどろへと進んでいくのです。

そして行き着く結末、いやはや…。映画として素晴らしいですが永遠の命も辛いものでありますね。
不老不死と言えばXメンのウルヴァリンもですが、こっちの方が辛く心に刺さりました。

物語が非常に重いので心にも刺さるのですが、どこか美術館で絵画を見た感覚も覚えました。

おそらく静かに流れる時間、鮮烈にショッキングに映る血の赤さ、バロック調の音楽、讃美歌が流れ、ゴシックな雰囲気などがそう思わせたのでしょう。ホテルの雰囲気もそうですし、シアーシャ・ローナンの透明感自体がもはや芸術であります。

物語もさることながら映画を見たその時間を堪能した感じです。

R15指定の作品であり、バンパイア映画なので血が割と凄まじいことになってます。苦手な方はご注意くださいませ。



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written by shuhei