映画『ビッグフィッシュ』紹介、ティム・バートン・ワールドで描かれた優しさ[ネタバレなし] - Cinema A La Carte

映画『ビッグフィッシュ』紹介、ティム・バートン・ワールドで描かれた優しさ[ネタバレなし]



『ビッグフィッシュ』基本情報

タイトル
=ビッグフィッシュ

原題
=BIG FISH

監督
=ティム・バートン

出演
=ユアン・マクレガー
=アリソン・ローマン
=アルバート・フィニー
=ジェシカ・ラング
=ヘレナ・ボナム=カーター
=ビリー・クダラップ
=マリオン・コティヤール

ストーリー
身重の妻と暮らすジャーナリストのウィル・ブルーム。 彼の父エドワード・ブルームは自らの人生を巧みに語って、聞く人を魅了するのが得意だ。 ウィル自身も幼い頃は父の奇想天外な話が好きだったが、年を取るにつれそれが作り話であることに気づき、 いつしか父の話を素直に聞けなくなっていた。 3年前の自分の結婚式にエドワードが息子ウィルの生まれた日に巨大な魚を釣った話で招待客を楽しませた時、 不満が爆発する形でウィルは父に今夜の主役は自分であると訴え、 仲違いが生じ、それ以来二人の不和が続いていたのだった。 そんなある日、母から父が病で倒れたと知らせが入る。 ウィルは妻と共に実家へと戻る。 しかし、病床で相変わらずな話を語り出す父と、本当の父を知りたいと葛藤する息子は理解し合えぬままだった。 はたしてウィルはエドワードの話の中に、父の真実の姿を見出すことができるのだろうか…。


予告編



一番好きなティム・バートン映画
ティム・バートン監督の映画の中で最も感動する作品なのがこの『ビッグフィッシュ』です。毎度のティムバートンらしい独特の色彩というか雰囲気というか、その魅力的な演出が感動的なストーリーと合わさった傑作です。

物語は単純で、昔からまるでおとぎ話のように大げさな面白話を話してきた父親に対して、息子は「本当はどうなの?」と疑問といいますか、反抗心を持っています。それが話の前提で、メインストーリーは父親の面白話です。

ファンタジー、つまり全くもってありえない話ではないのですが、いやそれでも嘘でしょ?という人生のエピソードが語られていきます。その1つ1つがまた面白い!その面白さがティムバートンの見事な演出で語られていくわけですから飽きるわけがありません。

1つ1つが面白く時に感動するエピソードが連続していく、その合間合間に現在の父と息子のエピソードが入り、最後は父の死と共に明かされるそれらエピソードの真実。その真実は「嘘」か「本当」かではないのです。

絶妙な答えがそこにはありました。ただただ凄いな・・・と思いました。 

そして感動。決してどんでん返しがあるわけでもない、決して見どころのアクションがあるわけでもない。しかし1つ1つのエピソードが重なり、そして感動を呼ぶ良質なドラマでした。そう、ドラマです。この映画、ジャンルは何になるんでしょうね? 父親の語る面白話は一見ファンタジーですが、でもファンタジーではないし・・・ そんな不思議な作品です。



みんないい人
私は基本的にティムバートンの映画は好きです。 彼のビジュアルセンスが好きなんでしょうね。 最初に書いた通りその中でもこの作品が一番好きです。しかしこの作品は彼の作品の中で極めて異色といえば異色ではないでしょうか。

ティムバートン作品と言えば見終わったあとに抱く感想は 「いや~面白かった」 というものの周辺に収まります。なぜなら彼の映像センスや皮肉なストーリーを楽しみ満足するからです。

例えば『チャーリーとチョコレート工場』。 嫌味たっぷりな子供たちが1人ずつ罰ゲームのごとく離脱していく様、 見ていて面白いですがとってもシュールですよね。ウォンカもドジです。そんなストーリーに、とんでもなくインパクトのある映像が加わることで面白くなるんですよね。それが彼の作品の魅力。

『アリス・イン・ワンダーランド』もそうでしたね。 嫌味たっぷりな赤の女王がやられていく様、そしてヘンテコマッドハッターがまた面白い。悪い言い方をすれば「薄いストーリーを映像でカバーしてしまうのが彼の手腕」なのです。

一応褒めてますw皮肉、シュールなエピソードと彼の映像センスが見事にマッチするんですよね。それが多くのティムバートン映画に感じる感覚です。

しかし、『ビッグフィッシュ』は原作からしてとっても濃い、しかも感動的なストーリー。いつもと違うストーリー。なのに凄くマッチする。これティムバートンのために書いたんじゃないか? という程にマッチしています。

嫌味なキャラもなく、みんないい人。そして最後も涙を誘いすっきり終わります。 いつもと違うのに凄くしっくりするティムバートン作品の後味がそこにあるのです。なので不思議な感覚でしたね。

よってティムバートンファンでまだ未見の方はそのちょっとした違いを楽しめる映画です。全くティムバートンとか気にしない方は凄く素敵な映像の感動映画を味わえます。というように、感動的なちょっと変わったストーリー。それをティムバートンテイストで味付けした素敵な傑作。これが最大の魅力でしょう。



音楽も、俳優も、お見事
プラスして音楽や俳優陣の演技も本当に素晴らしい。やはり映画には音楽が必要ですね。 ダニー・エルフマンの感動的で時にコミカルなスコアが映画を盛り上げます。『チャーリーとチョコレート工場』と同じ方です。

そして俳優陣。 主役のエドワード演じるユアン・マクレガー(若かりし頃役)とアルバート・フィニー(老後役)が本当に素晴らしい。 ユアン・マクレガーが最も出演してますが、大げさな面白話をコミカルに演じていて楽しいです。

そして老後のエドワードのアルバート・フィニーは貫禄たっぷり。説得力のある演技です。 二人共涙を誘うんですよねーこれが。見事なキャスティングでした。そして奥さんを演じるアリソン・ローマンとジェシカ・ラングの二人も素敵ですし、複雑な心境を演じる息子を演じたビリークダラップも素敵でした。

息子のウィルの奥さん役がちゃっかりマリオン・コティヤール。まだ今のように大ブームになる前ですね。当時は気づきもせず。この映画を好きな方同士でどのシーンが好きか語り合うのも楽しいんですよね。

私はエドワードが奥さんと初めて会った瞬間時が止まるシーンが一番好きです。そこ自体は涙を誘うシーンではないんですが何かほんわかして好きです。 あとはラストですね。川へと戻るシーンは泣きましたよ、ええ。

見たことない方はこのレビューをきっかけに感動を味わってくれたら嬉しいです。


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