『大統領の執事の涙 』感想、一人の黒人執事から見たアメリカの歴史、積み重ねがじーんとくる傑作[ネタバレなし] - Cinema A La Carte

『大統領の執事の涙 』感想、一人の黒人執事から見たアメリカの歴史、積み重ねがじーんとくる傑作[ネタバレなし]

私的満足度(5つ星評価)

★★★=星3=普通に楽しめました。

【評価の参考値】
★★★★★+・・・満点以上の個人的超傑作!
★★★★★・・・・お見事!これは傑作です!
★★★★・・・・・素晴らしい作品でした!
★★★・・・・・・普通に楽しめました。←平均評価
★★・・・・・・・ん〜イマイチ乗れませんでした。
★・・・・・・・・ダメなもんはダメ!クソ!
※通知表のような5段階評価で、個人的にツボった作品は例外で5+にしています。
ちなみに私は映画は楽しむ&褒めるスタンスなので評価相当甘いです。

WATCHAでレビューをチェック&書いてみる








『大統領の執事の涙』基本情報

日本公開
=2014年春

監督
=リー・ダニエルズ

キャスト
=フォレスト・ウィテカー
=オプラ・ウィンフリー

ストーリー
セシル・ゲインズは8人の米大統領のもとで34年間もの間、ホワイトハウスのバトラー(執事)として働いた。幼いころの黒人差別の傷を心に抱えながらも自らの仕事に誇りを持ちホワイトハウスでの仕事に従事していく姿を描く。

予告編


感想「アメリカの長き歴史を振り返り今のアメリカを考えたくなる傑作」

一つ気をつけたいことがありまして、この映画は実話にインスピレーションを受けたフィクションだということです。ユージン・アレンというバトラーの方がいるそうですが、その方の新聞記事を読んだリー・ダニエルズ監督が映画化を企画していったそうです。

『12 YEARS A SLAVE』も黒人を描いており、そちらの方がアカデミー賞有力とも言われているので比較されることは避けられませんがストーリーは全く違います。あちらは黒人奴隷というものを正面から描いている映画です。こっちはそうではなく(時代も違うし)、根強く残る黒人差別の中でも自らの仕事に誇りを持って従事する真摯的な姿がアメリカの歴史とともに語られていきます。

目を背けたくなるような描写はそこまでなく、苦節ありながらもひたむきに勇気を与えてくれる素晴らしい映画でありました。


[DVD発売済み]

人種差別が残る時代、そこからの公民権運動の時代。そして黒人が自由を獲得していく時代。一つの出口としてオバマが大統領として就任したあの時。その時代の流れが1人のバトラーを中心に描かれていくのです。

そこには我々日本人も知っている歴史の数々も登場します。公民権運動は当然のこと、キング牧師暗殺、JFケネディ暗殺、ベトナム戦争、太平洋戦争、9.11、オバマ就任と。歴史の細部まで知っておく必要はありませんが、高校世界史のアメリカ現代史を知ってる方が確実に映画をより深く堪能できるでしょう。

主人公セシル・ゲインズが本当に素晴らしい人物。公民権運動が強まる中、黒人は当然白人への抗争を強めていきます。しかし彼は白人を憎みません。彼は仕事に従事します。彼らが良きアメリカを作ってくれることを信じて。演じたのは『ラストキング・オブ・スコットランド』でアカデミー賞を受賞したフォレスト・ウィテカー。アカデミー賞ノミネートは固いのではないでしょうか。

そして妻を演じるオプラ・ウィンフリーの貫禄たるや。オプラ・ウィンフリーはご存知の方も多いであろうアメリカの超有名司会者。有名過ぎて一つのアイコンでもあるので映画ではよく本人役で登場します。身近な作品だと『オーシャンズ13』ですね。そんな彼女が今回は役柄を演じてます。素晴らしかったです。

そしてまさかのところにマライア・キャリー登場。あのカリスマ的・セレブ的様相を廃した、言ってしまえばノーメイクのオーラ無しの人物を演じてます。事前に出てることを知ってたのでわかりましたが、これ事前情報無しだと出てることすら気付かないかも?

アメリカの歴史をなぞる形で展開される物語。各大統領が出てくるのも面白いですね。そしてニクソンてやっぱりクソですね(笑)オバマのシーンは感動しました。

今のアメリカの政治的混乱を見ていると「何やってんだかね」と改めて思いますね。私的今年のアカデミー賞作品賞は『ゼロ・グラビティ』を推しますが、今の政治的混乱の時代性を考えるとこの作品が時代に最も合っている作品かなとも思いますね。

是非アカデミー賞では健闘してほしいですし、何気に笑えるシーンも多くユーモアにも溢れてるので日本公開時にSNS等でまたお勧めしていきたいと思っています。



関連作品

リー・ダニエルズ監督作品


フォレスト・ウィテカー出演作品


オプラ・ウィンフリー出演作品


黒人関連の作品



written by shuhei