映画『プライドと偏見』紹介、ジョー・ライト監督の快進撃はここから!リピートしたくなる美しき文芸映画![ネタバレなし] - Cinema A La Carte

映画『プライドと偏見』紹介、ジョー・ライト監督の快進撃はここから!リピートしたくなる美しき文芸映画![ネタバレなし]



『プライドと偏見』の基本情報

タイトル
=プライドと偏見

原題
=Pride and Prejudice

製作年
=2005年

日本公開年
=2006年

監督
=ジョー・ライト

出演
=キーラ・ナイトレイ
=マシュー・マクファディン
=ドナルド・サザーランド
=ジュディ・デンチ

ストーリー
18世紀末、女には相続権がなくイギリスの田舎町に住むベネット家の母親は、5人の娘たちの行く末を心配していた。イギリスの田舎町に住むベネット家の隣に、大金持ちの貴公子ビングリーが引っ越してくる。舞踏会の夜、ビングリーは、美しく慎み深いベネット家の長女ジェーンにダンスを申し込むが、彼の親友ダーシーは気難しげな態度のまま。才気溢れる次女エリザベスはダーシーに強い反感を抱く。しかもハンサムな青年将校ウィッカムに心奪われたエリザベスは、彼が幼なじみであるダーシーの悪口を言うのを聞いて、ますますダーシーが嫌いになっていった・・・

予告編



本作が放つあらゆる魅力

幾度と無く映像化されているジェーン・オースティンの傑作小説『自負と偏見』。今回取り上げるのは2005年公開のジョー・ライト監督、キーラ・ナイトレイ主演の映画です。原作との比較は今回は行わず映画『プライドと偏見』についてレビューさせて頂きます。

ストーリー展開はシンプルなのですが登場人物が多いので文字説明は難しいです。

物語の主軸は一家の次女エリザベスとダーシーのダーシーの恋の行方です。それが二人のお互いの誤解や素直になれない心、そしてタイトルの『プライドと偏見』によって右往左往していくまさにラブストーリーの原点なわけです。

二人の気持ちだけでなく、外部要因に振り回されてストーリーが展開していくのでより奥深い話となっています。

ではこの映画の魅力は何なのでしょうか。
"ストーリーの奥深さ"
"流れるような素晴らしい演出"&"美しい映像と音楽"
"俳優陣の演技"
"キーラ・ナイトレイ"
が主ではないでしょうか。

それらについて具体的に掘り下げてみたいと思います。



ストーリーの素晴らしさ

ラブストーリーの原点と言われるだけあり、スタンダードかつ惹かれる魅力を持っています。よく恋愛において「素直になれない」ってありますよね。小学生とか例に上げるとわかりやすいでしょうかw

好きな子にいじわるしたり、好きなのに無視したり、好きだから疑り深くなったり。あったあったというあれですねwそれを大真面目に物語にするとこの映画になるんでしょうね。

『プライドと偏見』というタイトルの『プライドと偏見』は主人公エリザベスの事をこの映画では指しているのでしょう。映画の中盤から終盤で明らかになっていくダーシーの本当の姿を知れば、ダーシーには実は『プライドと偏見』はなかったとわかるからです。

ダーシーはコミュニケーションが下手で、かつ現代と違い、がつがつアタックしていくような恋愛ではないため、彼は気持ちを伝えられなかっただけ。エリザベスが序盤あの態度ですしね。彼自身は実は一途な気持ちであった。もちろんその誤解を生む行動はしてますが。それに対してエリザベスはダーシーに対して文字通り「プライドと偏見」で彼を見てしまいます。

普段の我々でも少し苦手な人がいた時、その人の悪い噂を聞くと苦手が嫌いに変わったりしませんか?それですね。嫌悪感に悪い噂が積み重なり、かつダーシーはコミュニケーションが下手。よってどんどん嫌いになっていく。しかし誤解が解けた時、自分は彼を愛していると気づく・・・

恋愛というより、人間が相手のことを考えるまさに根底のストーリーですね。これが見た後もこの映画を忘れない魅力なのでしょう。

「自分が苦手なあの人、実際は色眼鏡で見てただけでいい人なのかもしれな。」

「あの人とは関わらないほうがいいと言われるけどそれは悪い面だけに目がいった意見であって、本当はいい面もあるのかもしれない。」

そんなことにふと気付かされるのがこの映画の魅力でしょう。しかも後味いいのがまたいいです、この映画は。まぁリディアとかウィッカムとかレディーキャサリンとか嫌な感じですけどねwミスターコリンズは個人的に好きなキャラですwこれって草食系男子の原点な気もwwwといった感じでストーリー、素晴らしいです☆



流れるような素晴らしい演出&美しい映像と音楽

これはもうジョー・ライト監督の能力というかセンスというか。ゆったりと流れる時間、しかし決してだれない上質な時間が流れる映画です。そこに美しいイギリスの映像、ただ風景が美しいだけでなく光の当て方や、キーラ・ナイトレイのドアップからの崖の絶景の映像への切替えなど、映像的にいい意味で「遊び」が効いてますね。

極端なアップ映像から極端に引いた映像に切り替えるのが好きなんだと監督自身がDVD音声解説で仰っていますが、映像に対するジョー・ライト監督のこだわりは本当に見事だと思います。

あと彼の映画の魅力と言えば驚異的な長回し映像でしょう。中盤に差し掛かる手前の舞踏会のシーンでは5分近く長回ししています。5分の長回しの舞踏会、そこにいるのは100人近い人。それら大人数の人が5分間演技をし続けると考えるとすごい手腕ですよね。それは一種ダンスの振り付け的な芸術でしょう。

彼はこの『プライドと偏見』の長回しが成功したことで調子に乗ったのか次回作『つぐない』でも長回しに挑戦しましたw結果は、『プライドと偏見』超えてしまう神懸りの長回しに。天才ですね、この監督w

『つぐない』の話はこちら

あと映画の最初と最後が朝焼けなんですよね。ただの朝焼けなのに何か美しい。センスですねぇホント。

それら美しい映像を際立たせるのが音楽です。ダリオ・マリアネッリによる素晴らしい音楽が映像をより一層引き立てます。サウンドトラックで聴くと聴き応えのある名曲揃いなんですが、映画では主役にならず映像のアシストをちゃんとしているんですよね。メロディーラインがありつつもそういった控えめな音楽が、美しい控えめな世界に似合ってます。


俳優陣の演技

キーラ・ナイトレイが本当に素晴らしい!!先ほども書いたように『プライドと偏見』を持った演技、それらが解けていくラスト、父親にダーシーが挨拶したあとに見せる一瞬の笑顔。1つ1つの表情や台詞の言い回しが本当に見事でした。アカデミー賞主演女優賞ノミネートも納得です。4人の姉妹もそれぞれ個性があって素晴らしいです。大女優に成長したキャリー・マリガンがちゃっかり姉妹にいますので気になる方はチェックしてみてくださいね。

ダーシーを演じるマシュー・マクファディンはダージーの癖を見事に演じています。ドラマ版でコリン・ファースが演じていたこともありイケメンコリン・ファースと比べられると厳しいところですが、役柄とのマッチを考えると適役だと思います。

あとはコリンズ役のトム・ホランダーいいですねぇ。あのヘタレっぷりは画に描いたような草食系ですwパイレーツ・オブ・カリビアン2、3のベケットとは思えないですよね。正反対の役柄ですもん。

レディーキャサリンを演じたジュディ・デンチは毎度うまいですねぇ。大女優の貫禄というやつです。

そして父親役のドナルド・サザーランドが見事にマッチしてました。良き父親の原点もここにありといったところでしょう。ラストカットちょっと泣けたw


キーラ・ナイトレイ

ジョー・ライトは世界で最もキーラ・ナイトレイを美しく撮れる監督で間違いありません。今作と『つぐない』、そして今年公開された『アンナ・カレーニナ』で確信しました。とにかくキーラ・ナイトレイの魅力が存分に詰まってる作品です。

時に美しく、時に強く、そして時に見せる少女のような可愛さ、演技というものを超えた魅力が溢れています。2作品連続でこれだからもうこれはジョー・ライト監督の演出の賜物でしょう。ストーリー無視してキーラ・ナイトレイ堪能するだけでも十分な映画かもしれません。

本当に。


まとめ

二人の恋愛が二人の気持ちの問題と外的要因とで右往左往しながら、周りもみんな魅力ある役柄。美しい映像と音楽を堪能でき、最後はハッピーエンド、画に描いたような映画のスタンダード傑作とはこの作品のことでしょう。

脚本の構造やどんでん返しや凄まじいアクションやCGや3D、映画の魅力は日々進化を辿っていますが、2005年公開にして映画の原点の魅力を示してくれた作品だなぁと思います。

今を生きる我々もプライドと偏見を持っているのかも。嫌いな人、苦手な人、本当にそうなのか?私達自身がプライドと偏見を持って、相手のプライドと偏見とぶつかりあっているのかもしれない。ちょっとは考えなおして心優しくなろうかな?

そんなことをふと思えるのもこの映画の魅力なんでしょうね。


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