映画『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』感想、あなたはこの大どんでん返しに何を思うか?[ネタバレなし] - Cinema A La Carte

映画『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』感想、あなたはこの大どんでん返しに何を思うか?[ネタバレなし]




『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』基本情報


タイトル
=ライフ・オブ・デビッド・ゲイル

原題
=The Life of David Gale

監督
=アラン・パーカー

出演
=ケヴィン・スペイシー
=ケイト・ウィンスレット
=ローラ・リニー

ストーリー
アメリカ、テキサス州。 大学の哲学科で教鞭を執る人気教授デビッド・ゲイルは、妻と息子を愛する良き父親であり、 死刑制度反対運動に熱心に取り組む活動家でもあった。 その彼が、今は活動団体の同僚女性をレイプしたうえ殺害した罪で死刑が確定し刑務所の中にいる。 デビッドは死刑執行直前になり、突然人気誌の女性記者ビッツィーを指名し、 多額の報酬と引き替えに残りの3日間での独占インタビューを許可した。 デビッド・ゲイルの有罪を疑っていないビッツィーは、 彼の話を聞くうちいつしか冤罪を確信するようになるのだが…。

予告編



死刑制度を巡るヘヴィー級映画

アメリカは合衆国なので合衆国憲法以外に各州が法律の権限を持っています。よって州によって死刑制度へのスタンスが異なります。本作はテキサス州を舞台としており、テキサス州は死刑執行に積極的な州です。

そのテキサスで死刑制度反対運動の活動家の中心であったデヴィッドゲイルが、同じ活動家の女性をレイプ殺人した罪で死刑宣告を受けます。死刑執行3日前にある記者が指名され、その記者が死の直前の独占インタビューを行います。

3回に渡るインタビューが進むに連れ、彼は冤罪で死刑に処されるのではないかという疑念を持ち始めます。そして死刑執行直前、冤罪であるという事実を見つけるのです・・・

果たしてゲイルは罪なき死刑執行を免れるのかどうか? といったストーリーです。

死刑執行反対の活動家が死刑に処される対象になるというシュールな展開。しかもそれはどうやら冤罪で。ハメられたのか?それとも?? 




全編とにかく死刑を巡るストーリー


死刑に関する話が全編を支配し、そして最後はゲイル自身の死刑執行をめぐるストーリーに。本作の作り手は結末から見ると死刑執行には疑問を抱いているのではと思いました。

一概に「私たちは死刑に賛成」「私たちは死刑に反対」ではなく、「死刑に処すことは本当にベストなのですか?」 それが伝わってきました。

説教臭いメッセージをもらうというよりも、死刑というものについてどう考えるべきかという課題を与えられたようでしたね。もちろんこれはアメリカの話。

日本の死刑制度とは全く異なりますし、日本への言及は皆無です。しかし日本人として本作を見ても、「間違えた死刑って存在しうるのかもしれない」という怖さを抱きましたね。それに賛成反対どちらであっても。そんな深みあるテーマが全編を支配する映画なのです。


映画的面白さ、サスペンス性をしっかり持っている作品

死刑というテーマ故に映画として重く苦しい空気が支配しているかというとそうではないのです。 むしろ死刑をテーマに見事なサスペンス映画に仕上げたなという感じです。

本作のストーリーは上で書いた通りですが、そのストーリーの至る所に仕掛けがあります。結末はどんでん返しにどんでん返しを載せる感じの衝撃がラストに待っています。その伏線が見事なんですよね。

ネタバレは控えますが、「なぜ?」 を突き詰めていくと色々と見えてきます。もちろん映画を見て結末を知ればひたすら「だからそうなのか!」と納得できます。

そもそもなぜ死刑執行の3日前にインタビューを受けることにしたのでしょう?

そこでゲイルは「冤罪」であるとうことをほのめかします。なぜ?

なぜ死刑判決が出た時点でインタビューを依頼しなかったのでしょう? 

その答えは結末で明らかになります。他にも「なぜ?」がたくさんあります。ゲイル自身が台詞で言ってますが、「なぜ死刑反対活動家のトップの自分が死刑を受けるんだ?できすぎじゃないか?」 と。確かに。冤罪だとしたら、、、

なぜゲイル? 

なぜ数いる活動家の中でゲイルが冤罪を被り死刑判決を受けたのか? 

これも結末で明らかになります。冤罪だろうがそうでなかろうが弁護士のフォローを受けます。 ゲイルが無実であると証明できるといった弁護士はたくさんいたそうです。

しかしゲイルは評判の悪い、言うならばお馬鹿な弁護士を雇い続け、結果として彼は死刑判決を受けました。

なぜ?

なぜ彼は他の弁護士を雇わなかったのでしょうか?

もちろん結末で明らかになります。



ラストはもう呆然・・・

結末の詳細についてはここには一切書きません。

最後はもう口あんぐり。どういうこと? 

そんな感じでクライマックスが進んでいきます。そして一定の結末が見えたところで最後の大どんでん返し。終わったと思われた本事件。最後に新聞社に1本のビデオが送られてきます。 そのビデオの最後に映っていたある映像。その衝撃に記者は泣きわめきました。

それでこの映画はおしまいです。

死刑執行の重いテーマを趣向を凝らしたサスペンスのプロットで描いているのです。このプロット、ストーリーの構成が本当に見事です。死刑がテーマなので軽さはありませんが、ハリウッド映画らしくこういった娯楽性も込められているのです。

増してその主役がケヴィン・スペイシーとケイト・ウィンスレット。レイプで殺された活動家にローラ・リニー。このキャスティングも見事です。俳優陣の熱演、特にケヴィン・スペイシーはカリスマ性あるシーン、人生の転落シーン、そして死刑囚としてのシーンと、相変わらず見事な演技を見せていました。

『セブン』や『ユージュアル・サスペクツ』などで強烈なインパクトを残していきた彼ですが、本作でも見事な演技を見せつけてくれました。

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