名匠オリヴァー・ストーンのぶっ飛んだ痛快作!『野蛮なやつら SAVAGES』【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレなし] - Cinema A La Carte

名匠オリヴァー・ストーンのぶっ飛んだ痛快作!『野蛮なやつら SAVAGES』【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレなし]




基本情報
作品情報
日本語タイトル
『野蛮なやつら SAVAGES』

原題
"SAVAGES"

監督
オリヴァー・ストーン

出演
テイラー・キッチュ、アーロン・ジョンソン、ブレイク・ライブリー、ベニチオ・デル・トロ、サルマ・ハエック、ジョン・トラボルタ

公式サイト

ストーリー
平和主義者のベン(アーロン・テイラー=ジョンソン)と元傭兵(ようへい)のチョン(テイラー・キッチュ)は親友同士。彼らはカリフォルニア州ラグーナ・ビーチを拠点に大麻栽培のベンチャー起業で大成功を収め、二人の共通の恋人オフィーリア(ブレイク・ライヴリー)と3人で生活している。だが、ある日、彼女がメキシコの麻薬組織に拉致され……。(シネマトゥデイより)

予告編



感想(一気に語り下ろし)
褒め言葉として一言で表現しましょう!!
この映画…

ぶっ飛んでますwww


ポスターから伝わってくる印象以上にぶっ飛び爽快作です!
麻薬栽培ビジネスで成功した若者二人がメキシコの麻薬カルテルといざこざして、
愛する女を誘拐されたのでその喧嘩買っちゃう、っていう話。

要するに無茶する話ですw

"カルテル"という言葉をご存知でしょうか。
麻薬を製造したり売買する組織のことです。
メキシコの麻薬カルテルとアメリカの麻薬に関わる人々を描いた傑作『トラフィック』をご存知の方も多いと思います。

『トラフィック』という映画はとにかくシリアスに麻薬売買や中毒を描きました。
しかし本作のポイントはそこではありません。
"愛する女の奪還劇"が本筋でその喧嘩相手がカルテルという感じです。

よってシリアスさはありません。
しかし麻薬カルテルに関する黒い取引や麻薬捜査官、裏切り者などサスペンスもしっかりと盛り込まれています。
サスペンスエンターテイメント、本筋はラブストーリーといった感じですかね。



本作の実質主人公の3人。
『バトルシップ』のテイラー・キッチュ、
『キック・アス』のアーロン・ジョンソン、
『ゴシップガール』のブレイク・ライブリー。

一人の女が二人の男を均等に愛するという謎の恋愛関係w
ここ突っ込んだら映画楽しめませんので・・・飲み込むしか無い!!w
映画冒頭から二人の男と交互にラブシーン…どんだけ淫らなん!?w

と、突っ込みたくはなるものの、この強固な絆が最後までしっかりと持続します。
よって映画の着地点が見失われず安心して映画を楽しむことができるのです。
なので飲み込むしかありませんw

アメリカ国内で医療用の認可の下りた麻薬栽培を含めて成功した二人。
当然メキシコの麻薬カルテルは彼らと組みたがります。
非合法の市場ではカルテルは当然複数あり、闘争も起きています。
なので成功した二人と組みたい、あわよくば使ってやりたいのです。

メキシコの麻薬カルテルなんて怒らせるもんじゃありません。恐いんです。
取引を開始したらもうその手中に入り込んでしまったようなもの…
しかし主人公二人は組むことを拒否します。

それを予期していたカルテルは二人の最愛の女を誘拐。
そしてそこから物語は加速度的に面白くなっていきます。
2つのカルテルの闘争や誘拐事件の真相、そして麻薬捜査官とカルテルの取引…

それらがエンターテイメント性全開で描かれていきます。


さて、ここまで書いて疑問を持った方もいるのではないでしょうか。
「あれ?この映画…オリヴァー・ストーン監督だよね?」
と。

オリヴァー・ストーン監督といえば、
『7月4日に生まれて』『プラトーン』でアカデミー賞監督賞受賞、
『ミッドナイト・エクスプレス』でアカデミー賞脚色賞受賞の名匠です。

アメリカ政治や経済に関するシリアスな題材の映画が多いです。
そんなオリヴァー・ストーンの映画が"ぶっ飛んでる"わけです。
前作『ウォール・ストリート』もエンタメ性が高まってましたが、そんな比じゃないですw

言ってしまえば"アカデミー賞なんて狙ってません"路線なので痛快ぶっ飛び作で面白いのです!

しかし、映画の根底にはオリヴァー・ストーンらしさがちゃんとあります。
オリヴァー・ストーンの物語は"敗者"を描くことが多いです。
今回も"敗者"の物語なのです。

麻薬栽培ビジネスで成功した"勝者"な二人が事件をきっかけに"敗者"になるのです。
そして物語の最後にはちゃんと"敗者"としての結末が描かれています。
よって観てる最中はオリヴァー・ストーンらしくないと思いましたが、後味はオリヴァー・ストーンの映画だなと感じました。


この映画最大の魅力はどこでしょう?
これはもうラスト10分で間違いないでしょう!!

何を言ってもネタバレになってしまいそうなラスト10分!
どんでん返し、という表現とはちょっと違う…
しかしあっと驚くラストでした。盛り下げて盛り上げるという反則技でしたw

このラストの"盛り下げて盛り上げる"ことが映画の爽快感を増してくれます。
その前の小さないざこざがちゃんと伏線になってるのも良いです。
全編ぶっ飛んでてエキサイトするストーリー、あっと驚くラスト、エンタメ映画として申し分ない満足度を得ることができました。


テイラー・キッチュとアーロン・ジョンソンのコンビのフレッシュさがとても良く、
ジョン・トラボルタやサルマ・ハエックの名優が脇をしっかりサポート。
そしてベニチオ・デル・トロがぶっ飛びまくりで楽しませてくれますw

申し分ないキャスティング…

と言いたいところですが、本作唯一の難点であり個人的に納得いかないのが、
ヒロインのブレイク・ライブリーのキャスティングです。

ドラマ『ゴシップガール』を見ている身からすると、
この映画のヒロインが『ゴシップガール』のセリーナにしか見えないのです。
というかまんまセリーナです。

セリーナは『ゴシップガール』でよく暴走して事件に巻き込まれることがありました。
そんな問題児セリーナなら麻薬関連で誘拐されてもおかしくなく、
その誘拐先での態度やリアクションもセリーナを彷彿とさせてしまうのです。

ブレイク・ライブリーが出てくる度に脳裏に『ゴシップガール』の映像が浮かんでしまったのです。
つまり映画を楽しみつつも集中できなかったのです。

あまりに似てるので意識的演技、意識的キャスティングと思ったりも…w
文句があるというより、集中できなくて残念だったなと思いました。

『ゴシップガール』好きな方は要注意かもしれませんw



と少し文句も言わせて頂きましたが、
オリヴァー・ストーンのぶっ飛び痛快作としてとても楽しめる一本です!
そしてラストの驚き、これは一見の価値ありでございます。