子供が駆け落ち!島中大騒動のファンタジー的ラブストーリー『ムーンライズ・キングダム』【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレなし] - Cinema A La Carte

子供が駆け落ち!島中大騒動のファンタジー的ラブストーリー『ムーンライズ・キングダム』【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレなし]



基本情報
日本語タイトル
『ムーンライズ・キングダム』

原題
"Moonrise Kingdom"

監督
ウェス・アンダーソン

出演
ジャレッド・ギルマン、カラ・ヘイワード、ブルース・ウィリス、エドワード・ノートン、ビル・マーレイ、フランシス・マクドーマンド、ティルダ・スウィントン

公式サイト
http://moonrisekingdom.jp/index.html

ストーリー
1960年代ニューイングランド島。自分が養子だということを寂しいと感じながらボーイスカウト活動をしていたサムは、常に本を読んでいる少女スージーに恋をする。キャンプでの生活になじめない二人は文通を始め、キャンプから勝手に抜け出し森で自由気ままに過ごしていた。一方、村では保安官やスージーの両親らが、二人を捜していたのだが……。

予告編




感想
みなさんはウェス・アンダーソンという名前をご存知でしょうか。
『ムーンライズ・キングダム』の監督です。
今回のレビュー、そして映画を通して是非この名前を覚えてほしいと思います。

彼の監督した作品はどれも独特です。
完全に彼の世界観が構築されてるものばかりです。
ティム・バートン映画を観たら誰もがティム・バートンの映画だとわかるように。

ウェス・アンダーソンの世界観はとても可愛く風変わりです。
あまりの風変わりさに最初は「何か好きになれない」と食わず嫌いをしていた時期もありました。
しかし、映画の食わず嫌いは後悔しか生みません。彼は天才です。本作でそれを再確信しました。

本作はお伽話のような小さな島で、小学生二人が駆け落ちする話です。
小学生の駆け落ち程度の出来事が大人を巻き込み、周りの子供も巻き込み、
人生を振り返り、そして未来を見据える動機となっていくのです。

小さな小さな物語だけれども、大きく大きく心に語りかけてくれるのです。
駆け落ちする二人が無駄に冷静で大人たちの方がわめいてるのもシュールです(笑)
何かメッセージを受け取る作品というより、子供心を思い返す作品だなと私は思いました。

終わった後には満足感溢れる作品ですが、感動はそこまでしなかった、
しかし、それは子供心を思い出させてくれたからであり、それでいいんだなと思いました。
不思議な世界を旅し、不思議な気持ちになる、満足度は極上。
これぞウェス・アンダーソン映画なのです。


魅力はあれこれたくさん!
名優たちが普段ならしないであろう役柄に挑んでいるのも大変魅力的です。
ブルース・ウィリスが情けない警官で、
エドワード・ノートンが頼れないボーイスカウト隊長で、
ビル・マーレイとフランシス・マクドーマンドが夫婦。
ティルダ・スウィントンはお似合いの冷徹役w
子供に振り回されながらも少しずつ心境の変化が生じているのが面白いです。

そんなウェス・アンダーソンの世界観はセットと音楽のよって魅力が何倍にも膨れ上がっています。
小さな島のセットはどこかおもちゃのように可愛いのです。
アレクサンドル・デプラの音楽もコミカルでファンタジー色の強いかわいいものになっています。


可愛さから私たちは子供心を思い出す
脚本、演技、映像、セット、音楽、
あらゆる魅力的の融合がウェス・アンダーソンワールドを構築しています。
それらが私達に子供心を思い出させてくれるのです。

子供の頃の思い出は人それぞれ。
思い出したくない人もいるでしょう。
また本作で思い出せない人もいるでしょう。

しかし子供の頃を思い出すことが出来たら本作はきっと魅力的なものになるでしょう。
私は感動よりも喜びを感じた作品でしたが、当然感動する方もいるでしょう。
兎にも角にも、ウェス・アンダーソン監督の映画はその世界観に浸かってしまうのが一番です。
楽しんで何ぼ!!な映画なのです。


繰り返されるテーマ曲=洗脳w
アレクサンドル・デプラは今最も人気の映画音楽家の1人でしょう。
『ハリーポッターと死の秘宝』や『ものすごくるさくて、ありえないほど近い』、
今年度のアカデミー賞関連では『アルゴ』『ゼロ・ダーク・サーティ』を担当しています。

そんなアレクサンドル・デプラの本作のスコアはとにかく可愛いです。
同じテーマは何度も繰り返されるので耳に残り、脳にこびりつきますw
一曲貼っておきますw


挿入歌の"Le Temps de l'Amour"もセンス良く光ってます。
あの下手くそなダンス、わかるなぁああいう子供時代w


もう全てが愛おしい『ムーンライズ・キングダム』w

ティム・バートン映画が好きな方はそのストーリーやメッセージ性などは二の次で良くて、
あの世界観が好きな方多いのではないでしょうか。
ウェス・アンダーソン映画もそれなのです。だから好きなものは好きなのですw

音楽1つ1つすら愛おしいのです。



とにかく楽しむ!
語ること実はそんなありません。
だって肌で感じて楽しむ映画なのですから。
最初に書いた通り"ウェス・アンダーソン"監督という名前を是非覚えて頂きたいです。

好き嫌いは人それぞれですが、熱狂的ファン拡大中のウェス・アンダーソン。
彼の過去作『ダージリン急行』や『ファンタスティック・Mrフォックス』を遥かに凌ぐ傑作です。
みなさんがどういう感想を抱くかはわかりませんがとにかく可愛い映画なのは保障します。

子供の頃、同じ経験をした方は少ないかもしれません。
しかし、何かしらの"冒険"をした方は多いのではないでしょうか。
その"冒険"を思い出し、笑顔になり、一瞬子供に返り、癒しを得る。

そんな素敵な時間を過ごせる映画です。


オススメです!