『風立ちぬ』の感想。 1人の男の人生を通して描かれる"力を尽くして生きる"勇姿 【鑑賞日記】[ネタバレなし] - Cinema A La Carte

『風立ちぬ』の感想。 1人の男の人生を通して描かれる"力を尽くして生きる"勇姿 【鑑賞日記】[ネタバレなし]

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基本情報

宮崎駿が『崖の上のポニョ』以来、実に5年ぶりとなる監督作品です。
ゼロ戦設計者として知られる堀越二郎と、同時代に生きた文学者の堀辰雄の人生をモデルに生み出された実話ベースのフィクションとなっています。


ストーリー
かつて日本で戦争があった。
大正から昭和へ、1920年代の日本は、
不景気と貧乏、病気、そして大震災と、
まことに生きるのが辛い時代だった。
そして、日本は戦争へ突入していった。
当時の若者たちは、そんな時代をどう生きたのか?
イタリアのカプローニへの時空を超えた尊敬と友情、
後に神話と化した零戦の誕生、
幸薄の少女菜穂子との出会いと別れ。
この映画は実在の人物、堀越二郎の半生を描くー。
堀越二郎と堀辰雄に敬意を込めて。
生きねば。
公式サイトより引用)

予告編
→=http://www.youtube.com/watch?v=X3AekHQy6lc 



本当に素晴らしかった!

宮崎駿監督、72歳にして完全なる新境地を開拓しました。
しかしそんな中にある宮崎さんらしさ、そして集大成とも言えるメッセージ性。
1人の男の人生を通して描かれる"力を尽くして生きる"勇姿。そして出会いと別れ…。

素晴らしかったです。

心に響き、生きる希望をもらい、そして物語の魅力に取り憑かれ・・・
今年ベスト級の大傑作であり、ジブリ映画として私は『もののけ姫』に次ぐ傑作だと思いました。墓場へ持っていく映画がまた1本増えたなと思いました。

[DVD発売済み]
宮崎駿監督は『もののけ姫』の際に
「人は見どころを聞いてくるけど全部見どころだ!」
と仰っていました。

そりゃそうですよね(笑)

とは言っても気になると思うので詳細を別記事にまとめました。
お時間ある方は是非ご覧いただければと思います。⇒こちら

主人公堀越二郎は子供の頃抱いた夢をひたむきに追い続けます。
その姿は現代の私たち、とりわけ夢を諦めた大人には眩しいほどにひたむきです。
激動の昭和の時代に"力を尽くして生きる"二郎の姿に私は生きる勇気をもらいました。

そして菜穂子との出会いと別れ。
運命の出会いからの運命の再会、恋、結婚、そして別れ…。

菜穂子は結核を患っていました。

それでも…いつまで一緒にいれるかわからなくても…
覚悟してひたむきに"力を尽くして生きる"二郎と菜穂子固い絆、そして愛。
涙を流さずにはいられませんでした。

まっすぐな二郎を見ることで菜穂子は生きる喜びと勇気を感じたことでしょう。
しかし同時に菜穂子は長くは生きられないことを覚悟して心の奥底で怯えていたんだと思います。宮崎監督はその一瞬の表情をしっかり描いていました。

素晴らしい飛行機をひたむきに作った二郎、
運命の出会いと再会から彼女の最後の時までただひたむきに愛することを誓った二郎、
たったそれだけの物語が『風立ちぬ』です。

ただそのひたむきさ、"力を尽くして生きる"姿は私たちを感動させ、
そして私たち自身がこの平成の時代にどう"力を尽くして生きていくか"自問させるきっかけを与えてくれるものでもあるのです。


映画を映画として客観的に見て評価なんてしたくない映画なのです。
映像がどうだ、ストーリーがどうだ、音響がどうだ、音楽がどうだ、声優がどうだ…
いくらでも語れます。しかもそれらは今までのジブリ映画屈指の素晴らしさですから。

しかしそんなの二の次でいいのです。

宮崎監督は二郎を通して私に"力を尽くして生きる"大切さを教えてくれました。
物語のラスト、二郎は飛行機を作ることも菜穂子を愛することも"力を尽くして生きた"後の抜け殻になっていたと思います。

それでもある人物"たち"が二郎にこう語りかけます。
"生きて"
"君は生きねばならない"と。

夢を追い続けるだけが人生ではないのです。
夢破れても、叶わずとも、不幸があっても、別れがあっても、
"力を尽くして生きる"、生き続けることが大切なのです。


"力を尽くして生きる"

"生きて"

"生きねば"


うん、私は生きてきます。
今まで以上に力を尽くして生きてきます。
人生の終わりがくるその日まで。そう心に誓いました。

ジブリ史上最も"大人な"傑作でしょう。
映画である以上、誰もが目にする宮崎監督作品である以上賛否あるでしょう。
しかし、他人の評価なんてどうでもいいです。私はここまで書いてきたように思い、大切な、いつまでもいつまでも心に大切にしていきたい映画となりました。


宮さんありがとう。



本当にありがとう。



力を尽くして生きていきます。


おしまい。

『風立ちぬ』関連記事一覧

レビュー:1人の男の人生を通して描かれる"力を尽くして生きる"勇姿。
http://www.cinemawith-alc.com/2013/07/kazetachinu.html

あらすじ・ストーリー・キャラクター・声優・主題歌など
http://www.cinemawith-alc.com/2013/07/kazetachinu1.html

見どころと世界観・そして時代の流れ
http://www.cinemawith-alc.com/2013/07/kazetachinu2_5.html

ヒロインの名前が"菜穂子"の理由
http://www.cinemawith-alc.com/2013/07/kazetachinu3.html

関連書籍と"力を尽くして生きる"
http://www.cinemawith-alc.com/2013/07/kazetachinu4.html

宮崎駿監督が最初やりたがらなかった理由
http://www.cinemawith-alc.com/2013/07/kazetachinu5.html

宮崎駿監督の破壊衝動、得意技と矛盾
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『もののけ姫』との比較、宮崎監督の得意技という視点での比較論
http://www.cinemawith-alc.com/2013/07/kazetachinu7.html

 "魅力と欠点"
http://www.cinemawith-alc.com/2013/07/kazetachinu8.html

賛否真っ二つに思うこと、そして大切だと思うこと
http://www.cinemawith-alc.com/2013/07/kazetachinu9.html

予習してから鑑賞したい人のための『風立ちぬ』コラム"ダイジェスト"
http://www.cinemawith-alc.com/2013/07/kazetachinu21.html

【年表比較】『風立ちぬ』の堀越二郎と、現実の堀越二郎と、現実の堀辰雄
http://www.cinemawith-alc.com/2015/02/Wind-N01.html

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written by shuhei