映画『ビューティフル・マインド』紹介、真実とは?美しい心とは?ジョン・ナッシュの壮絶な人生に勇気をもらう[ネタバレなし] - Cinema A La Carte

映画『ビューティフル・マインド』紹介、真実とは?美しい心とは?ジョン・ナッシュの壮絶な人生に勇気をもらう[ネタバレなし]




『ビューティフル・マインド』の基本情報


タイトル
=ビューティフル・マインド

原題
=A Beautiful Mind

製作年
=2001年

日本公開
=2002年

監督
=ロン・ハワード

出演
=ラッセル・クロウ
=ジェニファー・コネリー
=エド・ハリス
=ポール・ベタニー
=クリストファー・プラマー

ストーリー
1947年9月、プリンストン大学院の数学科に入学を果たしたジョン・ナッシュ。彼の頭にあるのは「この世のすべてを支配する真理を見つけ出したい」という欲求のみ。ひとり研究に没頭するナッシュは次第にクラスメートからも好奇の目で見られるようになる。しかし、ナッシュはついに画期的な“ゲーム理論”を発見する。やがて希望するMITのウィーラー研究所に採用され、愛する人と結婚もしたナッシュ。しかし、米ソ冷戦下、彼の類い希な頭脳が暗号解読という極秘任務に利用され、彼の精神は次第に大きなプレッシャーに追いつめられていく……。







好きな映画
2001年度アカデミー賞作品賞、監督賞、助演女優賞、脚色賞を受賞し、ゴールデングローブ賞でも作品賞、主演男優賞、助演女優賞、脚本賞を受賞しています。

この年は『ロード・オブ・ザ・リング』や『ハリーポッター』などがスタートした年でもあり、『パールハーバー』や『ブラックホークダウン』といった戦争を題材とした大作も公開。そしてミュージカルの『ムーランルージュ』も公開されたまさに大作の年であり、撮影や美術、音響といった部門では受賞とはなりませんでしたが、全てが見事に融合した歴史的傑作であると私は思います。

この映画は日本だと2002年の3月くらいに公開されていたような。当時中学3年生で『モンスターズインク』を見に行った際に隣の劇場で上映していたと思います。あの時劇場で見ていれば人生違っていたのかも?

とも思いますが、過去に「もしも」は二言なので後々でもこの映画に出会えたことに感謝です。

ではこの映画は何が魅力なのでしょう?それは崩れることのない完璧な脚本という土台の上に建てられた、見事な演出、演技、映像、音楽それらの融合ではないでしょうか。その辺り掘り下げていきたいと思います。



実話ベースの衝撃ストーリー
この映画は実話をベースとしています。主人公はジョン・ナッシュ。ラッセル・クロウが見事な熱演で体現しました。理系の方は名前を聞いたことがありますかね?この方、1994年にノーベル経済学賞を受賞しています。ゲーム理論などでも有名ですね。現在もプリンストン大学で研究をしている方です。

ストーリーは一言でまとめると「ジョン・ナッシュのノーベル賞受賞までの苦悩と愛の物語」でしょう。何か映画のキャッチフレーズのようなまとめ方ですが、ご覧になられた方なら納得でしょう。

彼は画に描いたような天才。天才は天才ゆえに苦悩し、挫折し、それでも前へ進み続ける。その姿をテンポよく進めていく本映画ですが、ナッシュのことを詳しく知らない方には映画の中盤(終盤ではなく)で大きなどんでん返しが待ち受けています。映画としての衝撃を味わうためにナッシュについて調べないで映画をご覧になられた方がいいと思います。

天才ゆえに、、、天才ゆえの、、、ナッシュは天才ゆえに大学を出てからも大学の教授として日々研究をしているのですが、同時に政府の仕事を引き受けるようになります。しかもその政府の仕事はとても機密性の高いもの。例えばソビエトのスパイがアメリカに侵入しており、それを暗号解読で解決していくなど。とてつもなく責任の重い仕事です。それら仕事に追い詰められていく中で彼は衝撃的な事実を知る。。。

ナッシュと観客を突き放す大きなどんでん返し、それが中盤です。ここまでで1本の映画としてとても見ごたえのあるもので、強いて言うなら映画の前半はサスペンス調の伝記映画です。



どんでん返しはスパイスなだけ、本質はここから
しかしどんでん返しなんてスパイスに過ぎず、その衝撃からスタートする映画の後半こそがこの映画の魅力なのです。このどんでん返しの前と後とでは若干演出が変わります。

多くは言えませんが主観演出から客観演出に変わります。映画を見れば意味はわかるでしょう。後半のジャンルは強いて言うならラブストーリーではないでしょうか。甘酸っぱい好きとか愛してるとかそんな言葉では片付かない、本当の意味でのラブストーリー。

アカデミー賞、ゴールデングローブ賞共に助演女優賞を受賞したジェニファー・コネリー演じる妻アリシアの存在はここから大きくなってきます。実話として重要な要素が一部抜けていてそれに関する批判もあるようですが、映画として考えるのであれば、まさにアリシアと歩んだ苦悩の日々、「そこからの復帰」、そしてノーベル賞受賞までの後半は胸を打つシーンの連発です。

内容面は伏せますが、自宅の2階でジョンとアリシアが語り合うシーンでのアリシアの台詞。

I need to believe, that something extraordinary is possible.
(私は信じたいの。何か信じられないくらい大きな事も可能なんだと。)

このシーンだけでジェニファー・コネリーはアカデミー賞の受賞は決まったでしょう。映画内で最も涙を誘うシーンかもしれませんね。たった一言。でもその一言にここまでの苦悩の日々の全てが集約されている気がしました。

その感動的なシーンの後もまだまだ波乱万丈ではありますが、絶対に諦めない、絶対に進んでいく、全て可能なんだという強い気持ちと共にフィナーレへと向かいます。ナッシュの前にペンが置かれ、多くの人が彼に敬意を示すシーン、このシーンも前半のそれとリンクしとても感動的なシーンです。

そんなこんなでラストシーンへ。ラストのスピーチからエンドロールへの下りは、まだナッシュが実在の人物として生きていてそしてまだ人生を歩み続けているんだ。そんなメッセージを受けるようでした。



脚本が完璧
ここまで語ってきて何となくわかると思いますが、完璧な脚本がこの映画を支えています。それはストーリー構造だけでなく繊細な台詞なども含めてです。それをしっかりと表現して見せたロン・ハワード監督の感動的で計算された演出。そしてラッセル・クロウとジェニファー・コネリーや、エド・ハリス、ポール・ベタニー、クリストファー・プラマーらの見事な演技。

ジェームズ・ホーナーのタイタニックの音楽を遥かに凌ぐ心揺さぶる音楽。
などなどなどなど。

脚本の上に建てられた全てが完璧に融合したからこそ、この映画は傑作になったのでしょう。



まとめ
ラッセル・クロウは前年に『グラディエーター』で主演男優賞獲ってるので、アカデミー賞を逃しましたが、『グラディエーター』を超える熱演でした。本当に素晴らしかった。

サスペンス?伝記?ミステリー?そんなあらゆるジャンルを観客は想定しながら進み、エンドロールになると、やはりこの映画は総じてラブストーリーなのだとわかりますね。エンディングの歌のタイトルはAll love can be.アリシアの声を表現した歌だとロン・ハワード監督はDVDの音声解説で説明しています。

実話を元にした一人の男、いや夫婦の歩んだ壮絶な人生を描いたラブストーリー。

映画史に残る傑作でありロン・ハワード監督の最高傑作。
繊細さと大胆さを兼ね備えた2001年最高傑作。
是非DVD等で体感してみてくださいね。



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