『メッセンジャー』、戦死した兵士の遺族に訃報を伝える通告官の姿を中心に描いた映画を初めて見た。【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレなし] - Cinema A La Carte

『メッセンジャー』、戦死した兵士の遺族に訃報を伝える通告官の姿を中心に描いた映画を初めて見た。【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレなし]



『メッセンジャー』基本情報

タイトル
=メッセンジャー

原題
=The Messenger

監督
=オーレン・ムーバーマン

出演
=ベン・フォスター
=ウディ・ハレルソン
=サマンサ・モートン

ストーリー
戦死した兵士の遺族に訃報を伝える通告官(メッセンジャー)を題材に描くヒューマンドラマ。イラク戦争で戦果を上げながらも負傷し、帰国した米軍兵士のウィルは、戦死した兵士の遺族へ訃報を伝えるメッセンジャーの任務に就くことになる。上官のトニー大尉とともに訃報を伝えていくウィルは、遺族たちの怒りや悲しみを目の当たりにし、苦悩する。そんな時、夫の戦死により未亡人となったオリビアと出会ったウィルは、失われた心を取り戻していく。一方、長い軍隊生活で冷え切っていたトニーの心もまた、ウィルに友情を感じることで少しずつ氷解していく。

予告編
http://www.youtube.com/watch?v=fnvcy1Ca1H4

感想「比較映画が無いため存在に意義がある。色々考えさせられた。」

戦死した兵士の遺族に訃報を伝える仕事、それが通告官(メッセンジャー)。『プライベート・ライアン』などでも登場するこの通告官ですが、実はそれを中心に描いた映画は今まで見たことがありませんでした。もちろん存在してるとは思いますが触れる機会がありませんでした。その意味で存在することに意義がある映画と思いました。あれこれもう少しな点があったとしても。

この映画の魅力は大きく3点でしょう。
・主人公と上官の対照的な戦争経験と心の葛藤描写

・メッセンジャーの仕事を今まで以上に垣間見れる

・ウディ・ハレルソンの演技

主人公のウィルはイラク戦争で活躍したがメッセンジャーの仕事は好んでない。上官のトニーはメッセンジャーの仕事はプロだが実戦経験がなくその葛藤がある。この対照的な関係が映画を面白くしています。

メッセンジャーという仕事は安全です、言ってしまえば。死にませんから。けれどこれも軍の仕事で重要な仕事なのです。それを実戦の苛酷さと対比させることで仕事の辛さを炙りだしていきます。

前半の多くメッセンジャーの仕事場面が描かれており、その葛藤に入り込んでいくのはやはり映画として新鮮に感じましたね。普通ならここから戦死者遺族の方のストーリーに進むので。もちろん本作でもそれは描かれますがあくまでも映画は『メッセンジャー』ですのでそこがとても新しく感じました。

そこに戦死者の妻、つまり未亡人の心の傷があぶりりだされていきます。それに主人公ウィルは感情移入して恋に落ちていきます。その行動には賛否あるでしょう。これに冷めてしまった方も多いようです。

しかしその行動が"遺族に感情移入しない上官"をあぶり出すスパイスに実はなっていたり。賛否あるメッセンジャーと未亡人の恋が結果としてウディ・ハレルソン演じる上官を際立たせ、ウディ・ハレルソンの名演技を我々に見せつける流れにもなってるのです。映画的な面白みです。

前半がいい意味でとても苦しいメッセンジャー描写だったので後半の故意的感傷描写には涙を流すほどの感動は得られませんでした。しかし冒頭に書いたようにこの切り口の映画が完成し、我々に届いただけで素晴らしいことだと思いました。

メッセンジャーの映画はまだまだ余白があるジャンルだと思うので全く別切り口え映画が製作されたらなと思います。

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