『世界にひとつのプレイブック』感想、イカれた二人に笑って泣いて…元気を貰う超傑作!【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレなし] - Cinema A La Carte

『世界にひとつのプレイブック』感想、イカれた二人に笑って泣いて…元気を貰う超傑作!【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレなし]




『世界にひとつのプレイブック』基本情報

日本語タイトル
=世界にひとつのプレイブック

原題
=Silver Linings Playbook

監督
=デヴィッド・O・ラッセル

出演
=ブラッドリー・クーパー
=ジェニファー・ローレンス
=ロバート・デ・ニーロ
=ジャッキー・ウィーヴァー

公式サイト
http://playbook.gaga.ne.jp/

ストーリー
妻が浮気したことで心のバランスを保てなくなり、仕事も家庭も全て失ってしまったパットは、近くに住んでいるティファニーと出会う。その型破りな行動と発言に戸惑うパットだったが、彼女も事故によって夫を亡くしており、その傷を癒やせないでいた。人生の希望を取り戻すためダンスコンテストに出ることを決めたティファニーは、半ば強制的にパットをパートナーに指名する。(シネマトゥデイより)


予告編
http://www.youtube.com/watch?v=GLbxGZ0tqgw


感想「昨年公開されてたらNO1と言える素晴らしい作品!」

本作はアカデミー賞主要部門全てにノミネートされるという快挙を成し遂げました。主要部門=作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、脚色賞です。これは81年の『レッズ』以来の快挙です!そして主演女優賞受賞!

一言でいってとんでもなく素晴らしいです。
あれこれ言葉を綴る前にそのれがどれくらいか一言で表現するなら
「昨年公開されていたらナンバー1」となります。それくらいの傑作でした!

コメディタッチで軽やかに進む物語はあまりにハチャメチャで、たくさん笑えて、切なくもなり、最後は笑えて泣ける素敵なストーリーです。これを傑作と言わずに何を傑作というのでしょう!?

ホント素晴らしい映画でありました!


本作のジャンルはロマンチックコメディ。心に傷を負い、入院や薬の服用、カウンセリングが必要なまでに"イカれてしまった"男女の話です。この男女は別々の人生を生きてきて傷も別々に負いました。しかし傷を負った二人は偶然か必然か出会い、ぶつかり合いながらもお互いを理解していきます。

妻に浮気され精神崩壊を起こしてしまったパット。夫がセクシー下着を買いに行く途中で事故って死なれ、精神崩壊を起こしてしまったティファニー。文字通り"クレイジー""イカれた"二人の物語はもうハチャメチャw

周りの登場人物もダメ人間だらけw精神崩壊した二人に、賭け事に熱中するパットの父、文句の言えないパットの母、結婚してヒステリックになってるティファニーの義兄、病院から脱走するパットの友人。ダメ人間オンパレードw

しかし、彼らは誰ひとりとして悪人ではありません。悪役でもありません。どこか愛くるしく、そしてリアルなのです。そして最後までダメ人間はダメ人間だけど明るい未来は描かれます。素敵ではありませんか。

過去という傷、今ある家族や友人、そして未来の恋はどうすべきか。同じシナリオでなくとも世界中にあふれている、"あり得る"内容なのです。だからこそ誰かに感情移入をしたらのめり込み、笑い、涙するのです。


監督の手腕、そして家庭事情

本作の監督はデヴィッド・O・ラッセル。クリスチャン・ベイルがアカデミー賞助演男優賞を受賞した『ザ・ファイター』の監督もしてました。非常に才能のある監督であることで知られています。


が!、この監督過去に色々とありましてwそう、不快なことがあるとキレてしまうのです。ジョージ・クルーニーが主演した『スリー・キングス』で言い合ったのは有名な話。

キレるということは"短気"という言葉で片付けてしまえばそれまでですが、やはり心の問題でもありますよね。ちなみにデヴィッド・O・ラッセル監督は最近温和になったそうです。

デヴィッド・O・ラッセル自身キレることが有名になってしまい干されていた時期がありました。しかし『ザ・ファイター』の監督等で一気に持ち直しました。文字通り"どん底からの再起"を果たしたのです。

そして今はこの『世界にひとつのプレイブック』も傑作に仕上げました。ブラッドリー・クーパー演じるパットは監督自身の投影なのです。そういったメタ構造になっている裏エピソードを知っておくと感動がとっても増します。

また、監督の息子さん、ロバート・デ・ニーロの息子さんがパットと同じ病気を実際に患っているようです。差別を描く時や病気を描く時は当事者だからこそシリアス過ぎないテイストに仕上げることって多いです。本作の"笑えて泣けて"なテイストに監督のそんな優しさを感じ取れます。


何をどう考えても完璧な映画

前述の通り本作はアカデミー賞主要部門全てにノミネートされるという快挙を成し遂げています。主要部門=作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、脚色賞。つまり魅力に溢れてる映画というわけです。

作品よし、演出よし、主役よし、脇役よし、脚本よしという。作品を観てそのとおりと思いました。本当に魅力に溢れた映画でした。

ロマンチック・コメディというのがまた良いのです。重厚なドラマではないのにアカデミー賞でこの快挙なのです。これは重いテーマを扱いながらそれを軽やかに演出し、演技も見事に機能したバランス感覚故でしょう。

何というか、最初は対岸の火事的に客観的に鑑賞してたのです。そしてキレる姿がコミカルに描かれてるので笑ったりして楽しめるのです。しかし物語が徐々に進むにつれ二人を応援したくなってくるのです。

このバランス感覚が映画を魅力的にしてるのです。作品よし、演出よし、主役よし、脇役よし、脚本よしなのです。しっかりした話なんだけれど、とっつきやすくなってるのです。

そのバランス感覚はラストの着地点の爽快さもあって後味が本当に見事なのです。
余韻を楽しめるのです。そしてもう一回見たくなるのです。傑作映画の典型的な症状が起きるのですw

本当に本当に本当に魅力的、笑えて泣ける素晴らしい、ロマンチック・コメディの最高傑作なのです。

どなたにでもオススメできる素敵な素敵な映画です!

イカれてるシーンやビンタシーン、そして何気ない会話やダンスに笑い、
切ないエピソードに同情し、恋模様に胸を締め付けられ、
ダメ親に苦笑し、気づいたら映画の世界にのめり込む・・・
最後は涙し笑いうっとりする・・・


これぞ映画ですよ。


ps
映画内とエンドロールでかかるAlabama Shakes の"Always Alright"が素敵な曲。
リピートしながらしばらく生きることになりそうですw